R6①場所 総括

久しぶりのきちんとした千秋楽の三役揃い踏みがみられると思っていましたが、優勝圏内にいた豊昇龍の途中休場は、ないものねだりだと思っていても、残念です。何より大関自身が悔しい思いをしていることだと思いますので、来場所以降の活躍を期待したいです。

照ノ富士はさすがでしたね。出る以上はきちんとそれなりの成績を残すか途中休場かという前評判の中で、序盤に黒星を喫する苦しい展開。10勝が見えてきた10日目くらいからかなり安定した内容だった気がします。ここら辺は土俵経験の長さ、困難なキャリア、何を欠いても優勝までは行けなかったでしょう。出場上位3名が千秋楽まで優勝を争っているため、千秋楽は最悪1日3番という過酷さもありましたが、決定戦の内容は激しく差し手を求める琴ノ若に対して冷静にチャンスを狙って一気に仕留めたって感じです。ひざの状態は見ている限りでは大丈夫そうですが、疲労が後日にと言うこともありますしいたわって欲しいです。霧島は11勝ですので問題はないですが、今場所の調子なら綱取りがなければもう少し行けた気がします。

途中休場が多かったですが、一時期の混乱状態からは抜けたような気がします。ただ現役のキャリアハイが照ノ富士を除いて最高で13勝、まだまだ安定感が足りないのも事実。照ノ富士も膝の状態如何では14勝以上の可能性はありますが新しい人、新しい上位がまだまだ望まれている現状は変わりがないように思います。

当座は霧島、豊昇竜、琴ノ若を軸に展開しそうですが、やはり、横綱大関で4人は皆勤して欲しいところです。

◎主だった力士

【関脇大栄翔】押し相撲なので安定感がないのは仕方ないですが、そろそろ、ステージを上げないと、年齢に追い越されそうです。幕内47場所、三役16場所、キャリアは十分ですので、何かを突破する必要がありそうですが、それが何かを探している感じです。色々試す段階から、これってのをつかめばまだまだ強いですので、大関の可能性は十分期待してもいいのではないかとおもいます。

【若元春】安定感は以前からありましたが、平幕に落ちて10勝で戻ってくる。やはり期待せざるを得ないですね。幕内13場所、三役6場所、三役で3場所30勝、三役で連続2桁はすでに達成しているので、後は、今の相撲を磨けば、すぐに上が見えるというより、現時点で見えてるはずです。たまに見せる脇の甘さと立ち合いの安定化、これが改善できれば大関自体の難易度は比較級的に楽そうです。難易度は優勝の方が高そうです。年齢に比して勤続疲労が少ない気がしますので、これからって感じです。

◎総当たり圏内総合(西前5まで)

全体的に実績のある人はそれなりの星になっています。調子、編成の運不運はあるとは思いますが、ほぼ実力通りの星になってる気がします。熱海富士は健闘したと言えますが、わきの甘さを修正すれば星自体はあがりそうですが、ここからでしょうね。

◎下位総合

朝の山は相撲自体は強いんですが、途中休場が多いのが気になります。大栄翔と同じく大関までは時間との勝負になるような気がします。怪我に気をつけながら今年が勝負って感じでやって欲しいです。平戸海は着実に力と番付を上げてる感じがします。大負けがなくとにかく番付なりの相撲が取れていて、これからが楽しみです。明生はこの辺の番付だと大勝ちしてもいいのですが、いかんせん立ち合いが安定しない。大の里は予想通りの活躍でしたが、欲をかいたのか、上位戦では意識的に勝つことに重点を置いているような相撲が目立ちました。実力を試すというか、今の相撲でどれくらい勝てるかってのを体感するいい機会でしたが、現時点の自分の相撲の方が通じたような気がしますし、改善点も分かりやすかったと思います。ベテラン勢の衰えがそろそろ隠せなくなってきたのも印象的でしたが、その中で玉鷲だけは、まだいけるという感じで前一桁下位だと、まだまだいけそうです。

 

以上 2024年1月29日