大相撲昇進関連の名著『「横綱昇進」(相撲協会審判部の怪と報道の盲点)』 日高将ー著(1994年1月発売)
今はともかく、30年前だと昇進に関することは、公式には殆ど協会は言いませんでした。解説者がそれを指摘していただけると当時でも分かったのですが、残念ながらそういう解説者は当時はいませんでした。
そういう中でこの本と出合いました。
私が持っているのは2刷りです。
当時で1800円。今だとアマゾンで新品が1923円で売っています。
宣伝する気はないですが、当時だとまとまらなかった、とりとめもない考えがきっちり説明させていて、説明も合理的で基準も納得でした。
私の相撲関連の昇進記事はこの本を基調として、35年見てきた自分の目で補正しています。
昇進問題の根本的なところをきちんと書かれているので、詳しく知りたい方にはお勧めです。
20代の大学生の頃にこの本と出合えた事は私にとっては幸運でした。
出会っていなければ、ここで、こういう事は書いてないでしょう。
1994年1月なので「横綱昇進」に関しては、【64代 曙】まで書かれています。
その後の昇進に関してここで書いていることは、横綱も大関もそれを基調にして私自身が導いたものです。
当然裏付けはします。1994年当時はインターネットという便利なものはなくて、情報収集に苦労したのを覚えています。ざっくり言うと新聞の縮刷版を遡って確認してました。今ならネットで検索一発です。
そういう過程を経て、最早かなり暗記しています。
大関昇進 S47以前はざっくり30勝でした。急に基準が変わります。それがS47年です。理由書いちゃうと、パクリになりますので。まぁ、調べれば分かります。S47からは概ね三役で32勝で運用されてきたと、日高さんは言われています。その後変化して今の三役で33勝というところまで、導かれています。明確に変化した理由がありますが、これも調べれば分かります。三役で3場所といういう基準を思いっきり外している昇進例もあります。平幕含んだら違いますよね。でも、そこも合理的に説明されています。「平幕含めば2勝のハンデ」 は、この本に教えて頂きました。当然合理的じゃないと今までこの考えは維持できません。逆に甘い時は「大関が1人以下の状況」とくくられています。 両方に該当しない甘いのは、まぁ察してください。並べると綺麗に見えます。明言は出来ませんが琴奨菊の32勝が見送られて、33勝で昇進した直後、稀勢の里が32勝で昇進しています。恐らくそういう事なんだろうと、分かる人には分かります。
直近の解説者だと、北の富士さんが豪胆な性格で、言いたいこと言ってましたが、やはり審判部長経験者だけあって、数字的な事はあまり言われません。かれこれ1年近く北の富士さんを見ていませんでしたが、R6⑦のNHK中継の中でメッセージが見られたのは良かったです。お年を召されているので、何よりも健康第一で行っていただきたいです。名解説はもう心の中にありますので。
昇進問題は内部だと基本的に発言は封殺されます。なので、基本は外部(年寄ではない)の解説者です。今だと舞の海さんしかいません。その舞の海さんもやや偏重している所もありますが、まともに数字を出してくれる解説者は舞の海さんだけです。大体私と同じようなラインを引いておられる感じがします。
私自身の個人的な意見であればこれは書きません。ですが出版もされているものを基調としているので、それを明らかにした次第です。
ありがとうございました。
(2024年7月24日 記)